苗場酒造株式会社をグループに迎え
新潟県中魚沼郡津南町にある苗場酒造株式会社の全株式を、昨年11月1日オーナー家である瀧澤様より譲り受け、私が代表取締役社長に就任し、ひまわり・エンゼルグループに迎えることができました。
苗場酒造(瀧澤酒造より、今年9月商号変更)は、明治40年(1907年)に新潟県津南町に創業された酒蔵。環境庁の名水百選に選ばれた「龍ヶ窪」のある津南町で、日本百名山「苗場山」の伏流水を仕込み水とし、以後107年、主に津南・魚沼地方で飲み愛される、地元を代表するいわゆる「地酒蔵」です。
残念ながら、瀧澤社長様と奥様もご高齢となり、ご子息も他の道を歩まれ、後継者不在で悩まれる中、何よりも会社の存続と発展、社員の雇用、お取引先様、長く飲んでいただいている愛飲家の方々の事を考え、当社をその後継者としてお選びいただきました。
100年以上の長い歴史を当社に託された瀧澤様の祈るよう なお気持ちは、大変重いもので、改めてその責任に身が引き締まる思いです。
おかげさまで幸いな事に、平成25酒造年度全国新酒鑑評会で金賞を受賞する事が出来ました。今までも、関東信越国税局酒類鑑評会において、過去10年間で8回優秀賞を受賞するなど、確かな技術力を持った杜氏や蔵人もおります。
蔵人の宿泊施設もあった旧事務所棟を全面改築し、今年7月26日津南祭りの日にリニューアルオープン致しました。創業時より使用している築100年を超える酒蔵内には、杉の大樽や和釜をはじめ歴史博物館でしかお目にかかれないような昔の酒造りの道具もたくさんあります。2階の「津南蔵座敷」は、昔の蔵人の宿泊部屋を改装し、現在も宴会等で使用している大正6年の輪島塗のお膳等漆器の他、地元の書家平野壮弦先生が新ロゴ「苗場山」制作時に35通りに書き分けた書も見学できます。4月上旬から11月上旬の仕込み時期以外は、予約なしで酒蔵・蔵座敷の見学をお楽しみ頂け、冬の仕込み時期は応相談となっています。
酒蔵経営にとって、酒質の向上と安定は最重要・最優先課題とし取り組んでいます。昨秋から新潟の名工にも選ばれた「新保英博」氏を杜氏としてお迎えする事が出来ました。設備面でも、0.1度単位で温度管理の出来るサーマルタンク5基の導入、麹室の改良等積極的な設備投資を行い、大吟醸酒や純米酒等の高品質なお酒を安定的に醸造出来るようになりました。
私は、酒造りには全くの素人ですが、苗場酒造の社員の方々をはじめ、皆様の協力を得て、「日本酒文化の継承と創造」を目指し、当グループならではの今の時代に望まれる酒蔵経営に挑戦して参ります。
皆様のご愛顧・ご協力をお願いいたします。
苗場酒造株式会社 代表取締役 新保光栄
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